久しぶりと言うにはあまりにも期間がたっていました。
4年です。
その間にはいろいろなことがあり現在も悩ましいご時世ではありますが、変わらず制作活動ができているという事に感謝しかありません。
おかげ様で各地で展示会をさせて頂けるようになり、いろいろと難しいご時世ではありますが現在開催中のものも含め年末まで毎月展示の予定が入っております。
展示のご案内の前に、こちらのブログでまだご報告していなかった事があります。
今まで布絵と表記していた作品の名称を今年から「夕布彩画(ゆうさいが)」と変更しました。
早めに名称は決まっていたのですが、ポートフォリオの発行などに合わせて2021年3月7日にFacebookページにてご報告とホームページへの記載をしております。
以下、その転載になりますが、お時間のある時にご一読いただければ幸いです。
いつもご覧いただきましてありがとうございます。
本日は絆美保工房よりお知らせがあります。
今まで『布絵』と表記していた作品をこれからは『夕布彩画』(ゆうさいが)と改める事になりました。
日々、空を見上げている私が一番好きな空の時間、夕方の『夕』
実は、陽が沈み始め空の色が赤からオレンジ、黄色、青と変化していく時間帯全てを『夕』と言うのだそうです。
そして『夕』の字の成り立ちは『月』
しかも、三日月から来た字だそうで、作品にも月を刺繍しているところに繋がりました。
布に空の彩りを表現している風景画、
それが夕布彩画という事になります。
作品を展示させて頂く機会がここ数年で増えてきて、同時に皆様の声を聴く機会も増えてきました。
その中で、作品を目の前にしている方でも布を染めて空を表現している作品だという事が伝わらないのが大きな悩みでした。
『布絵』と検索すると既存の古布などの布を使ってパッチワークなどの技法で絵を作っている方が多く、そういった作品との違いをどう伝えたらよいのか模索していました。
作品の工程が分かるようなリーフレットを制作して展示会場に置くという方法を選択し、その為に2020年1月から1年間、プロのカメラマンさんにお願いして作品や展示会場の様子を撮影してもらいました。
素材も揃ってきて、いざリーフレットを作り始め、技法や作品の写真や説明を書きつつまとめて行く中で『技法も作風もオリジナルなのだから、違いを伝えるのではなくて名称自体を変えたら?』というアドバイスを頂きました。
なるほど!という気持ちの半面
良いのかな…という気持ちも。
それは私のアートフラワーの師匠でもあり、染色の師匠でもあり、布絵を創り出した作家でもある母の存在です。
全て自ら染めた布で作る風景、額も作家さんに依頼して制作してもらっているオリジナルの額。
1999年にはクラフト展で入選の実績もある『布絵』という作品の名前を変えて良いのだろうか。
実際のところ、母はまだまだ制作に意欲的であったのですが体が不自由になってしまい、既に10年前から制作はできなくなっております。
母が額を注文していた作家さん達とは私自身は連絡を取れないこともあり、6年ほど前から別の額についても考え始め、大好きな陶芸作家さんの陶芸教室に通いながら陶器の額を自作するようになりました。
また木工旋盤をやっている友人にも丸い額を作ってもらったり、購入した額も使用するようになりました。
そういった意味では、額を含めて母の作品とは別の独自のものに変化してきたところでした。
初個展から12年、『絆美保工房』という工房名を持つようになって10年。
そう、実は10年前の今日は母の恩師に付けていただいた屋号『絆美保工房』としてスタートした日でもあります。
私の名前が入り、私から繋がる人の縁を意味する絆という字を一緒に入れるべきだと当時言われましたが、その言葉通りたくさんの良いご縁に恵まれた10年でした。
新たな節目として『夕布彩画』という名と共に母の元から独り立ちするタイミングなのかもしれません。
作る作品自体に変化はありませんが、こころ新たに『夕布彩画』そして『夕布彩画家』として活動していきます。
作品を見た方が、いつかどこかで見た空を思い出したり、空を見上げるきっかけになるような作品を作っていきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
絆美保工房